漆木神楽
諏訪神社・稲含神社に奉納される “漆木神楽”
漆木(うるしぎ)神楽は、地元の諏訪神社、及び稲含神社に奉納される神楽で、毎年4月第1日曜日と9月最終日曜日に奉納されています。
神楽創始の歴史は古く、天保3年(1832)に貴布祢神楽を招いて奉奏した記録が残っており、その後徐々に地元の氏子たちが習得し、漆木神楽へと枝分かれしたものと推測されます。 明治5年には地元氏子の神楽師によって、耕地を見下ろす稲含神社があった山の上まで道具一式を担ぎ上げ、稲含神社御前にて奉奏したと記録により伝えられています。
その後、大正11年に稲含神社が落雷により全焼したため、稲含神社を麓の諏訪神社境内に遷したことにより、以降、稲含神社の例大祭である4月第1日曜日と、諏訪神社の例大祭である9月最終日曜日の年に2回、奉納されています。
天保年間より技能が引き継がれてきた漆木神楽ですが、当初は自前の面や衣装はなく、奉納の度に道具一式を借り受けては演じてきました。 昭和26年、諏訪神社境内の御神木杉11本を売却し、それを資金にして東京都千代田区神田の専門店より購入して、念願の自前の道具一式を揃えました。
氏子にとって神楽は生活の一部でもあり、年2回のハレの日に、神々と一緒に舞を楽しみ、飲食を共にする、信仰の原点を脈々と継承しています。
演目は21座もあり、面や衣装の豊富さでも一見の価値があります。
奉納日にはぜひとも足を運んで頂きまして、共に交友できましたら幸いです。
面
雷 / 猿田彦命
天児屋根命 / 大山祇命
モドキ / モドキ
足奈槌 / 手奈槌
太玉命 / 天照大神
素戔鳴命 / 戸隠命
事代主命 / 鬼神
旧大蛇 / 大蛇
旧赤目 / 赤目